渡り蟹を食べる会

いつもこのグルメブログ「阿じ与志」をご覧頂いている皆様には、厚くお礼申しあげます。

知り合いのAさんとBさんは蟹が大好きなんだそうです。お二人と年末にお会いした時、
「阿じ与志のブログ見てますよ。蟹がたまらなく美味しそうでした」とおっしゃいました。
ワタシは嬉しくて、涙が出そうになりました。これはぜひ実物を味わって頂かないと!

Syakigazami1_3

この前食べた渡り蟹(2011/12/3)






というわけで、今夜(1月20日)阿じ与志で渡り蟹を食べる会を開くことになりました。
3人で座敷に陣取ります。店主が見えないのは寂しいけど、声はしっかり届いてます。

女将が来ました。「こんばんは。今日は蟹は聞いてますけど、他に特にご注文は?」
お酒はまずビール。あと皆さんにひれ酒を味わってもらおうかと。料理はお任せします。

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1月のつきだし 粕汁(かすじる)

今度は二代目が料理をもって来てくれました。
「寒い日はこれがいいと思って。粕汁です。銀杏餅が入ってます」

Kasuziru

■阿じ与志 1月のつき出し 銀杏餅入り粕汁(かすじる)

正月あけは残り物の鰤(ブリ)を一掃できる酒粕鍋。どこの家庭でもやりましたね。
けっこうアルコール分があって、体はポカポカ。顔を真っ赤にして食べたものです。
粕汁とは懐かしいですけど、若いお二人はご存知なのだろうか?

さてさて、阿じ与志の粕汁はどんな味してるのかな?
ほ~、実にまろやか。月並みな表現ですがピッタリしてる。さすがだね。
とろみがあってなんとも複雑な味。ドリンクみたいで力がつきそうな感じ。

餅が2こ入ってました。正ちゃんは銀杏餅とか言ってませんでした?
粕汁の中は銀杏餅です。銀杏をつぶして餅子に混ぜています(女将)

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ふぐひれ酒

今度は若女将が「ひれ酒」を持って来てくれました。長柄のマッチも。
「熱いですから気おつけて。つぎ酒が必要になったら、云ってくださいね」

カウンター席より座敷の方が、よほど親切な案内があるではないか!

Hiresake

■阿じ与志 とらふぐ料理 ふぐひれ酒

「火を着けるのは、どうやったらいいんですか?」とAさんがご質問です。

「蓋をしたままで、マッチに火をつけてください。片手に火のついたマッチをもって、
そうそう端を持ってくださいね。蓋をとって、火を近づけてください。ほらつきましたね。
長く火をつけておくと、酒のアルコールが飛んじゃいますから、蓋をして消してください。
蓋をとり、箸で鰭(ヒレ)をつまみ、上下にゆすってください。酒が琥珀色したらOKです。
鰭を取り出し、蓋にでも置いてください。つぎ酒で2杯は飲めますよ。お試しください」

ここの鰭なら揺すらなくても、熱燗だけで十分いい色になりますが、まあ儀式ですから。
いかがです? 甘くて口当たりがいいでしょ。ワタシは和風鰭スープだと思っています。

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1月のつき出し3品で思ったこと

入れ代わるように、今度は二代目。「つき出し」を持ってきてくれました。
盆に皿がずいぶんのってますけど、どうやら3品づつあるようです。

正ちゃんも一品づつ、料理の説明をしてくれます。
皆さんは簡単すぎると思うでしょうが、ワタシは親切だなと感心してるんです。
ワタシ一人の時なんか、いつも「これなんだ?」とテストされてるんですから。

Fugunikogori

▲阿じ与志 1月のつきだし ふぐ煮凝り

ふぐ皮や身をミキサーでペーストにして煮凝りにしました。
ふぐのゼラチンだけで固めてあります。(正ちゃんの説明)

普通の煮凝りは、ふぐ皮などが透明なゼラチンに浮かぶような形をしてますが、
これはまるでコンニャクみたいです。説明がないとまずわからないでしょう。
食感もゼリーのようではなく、マシュマロみたいにふんわりねっとりしてます。

Takomiso

▲阿じ与志 真蛸料理 真蛸の味噌(肝?)

タコの○ソです!(正ちゃん。真面目な顔して)

え~っと。これはタコの頭につまっているアレですね。(汗!)
大抵捨ててしまいますけど、鮮度がいいから、珍味してますよ。
多分、肝でしょう。少し苦味があります。

Hiramekobushime

■阿じ与志 ガラ海老平目昆布しめ巻

ガラ海老に平目の昆布締めを巻いて
唐墨の粉にしたのをまぶしています。(正ちゃんの説明)

う~ん。地元の魚で作った、結構手の込んだ料理ですけど、
説明がないと何気に食べてしまいそうです。もったいないですね。

聞いた言葉から連想される美味しさが、脳で前奏曲をかなでます。
目の前の料理が一層美味しそうに見えますし、食べている時は、
味と言葉が一体になることで、しっかり記憶されるような気がします。

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ハーフサイズの南風泊(はえどまり)

今度は若女将が持ってきてくれました。
「ふぐの南風泊(はえどまり)です。こちらはハーフサイズです」。

う~ん。南風泊は阿じ与志オリジナルという点を強調したらよかったかな?
どんなふぐ料理か外見からではわからないところは、謎めいていいかも?

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■阿じ与志 ふぐ料理 南風泊(ハーフサイズ)

ふぐの刺身といえば「薄造り」が相場ですが、なぜ薄造りにするのかご存知ですか?
ふぐは魚の中で一等身質が硬いといわれてます。普通の刺身のように厚く切ると、
噛むのが苦痛になるほど硬いそうです。(薄造りでもかなりの硬さがありますね)

「薄くて食べ応えがない」という、まことに贅沢なことをいう人も中にはいます。
(かの長嶋茂雄氏は、ふぐ刺しをいつも5,6切れまとめて口に入れたそうです)
そういう無理難題ともいうべき要望に応えたのが「南風泊(はえどまり)」なんです。

ふぐの柵(刺身に切る前の身)を高温でさっと炙ります。ステーキならレア。これで、
厚く切っても、柔らかく、甘みもでてきます。ふぐ刺しにない食べ応えがありますよ。
土佐酢をかけてあります。サラダみたいに食べてください。(以上店主の受け売りデス)

炙りのふぐは海苔の下に隠れてます。3キロ物のふぐを味わってみてくださいね。

ハーフサイズを始めたというのは聞いてましたが、実物を見るのは初めてです。
▼こちらがフルサイズ(?)の南風泊2012/1/8)です。

Suntitled

炙りのふぐのほか、ふぐ皮もあるし、生のふぐ白子もちゃんとついてます。
フルサイズがSクラスのBenzとすれば、ハーフサイズはCクラスだね。
コンパクトサイズの本物です。Cなワタシにはピッタリかも?

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渡り蟹料理 蟹ミソで甲羅酒

いよいよ今晩の主役、渡り蟹(ガザミ)の登場ですが、前段があります。

1週間前に予約を入れた時、正ちゃんから地獄に突き落とすようなお言葉。
「ガザミはダメかもしれません。今年になって全然上がらないんすから・・」。

前日、正ちゃんから電話。「ガザミ、大丈夫っすから」。「・・・本当?」
あなうれし。これで面目も立つというものです。

若女将が焼いた甲羅をもって来てくれました。
「蟹の味噌です。熱いうちにどうぞ。少し残しておいてくださいね」
「すぐ熱燗をもってきますから、甲羅酒にしてください」

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■阿じ与志 渡り蟹料理 蟹ミソ甲羅酒

蟹はいろいろいますけど、一番美味いのは雌の渡り蟹だとワタシは思います。
身質がすばらしい。美味しい内子がつまっている。こんな蟹、他にありますか?
この蟹を一等美味しく味わえるのは焼くこと。茹でるのは失礼だ。蒸すのは勿体ない。

この蟹ミソ、甲羅酒は焼くからこそ味わえます。(上手く焼くのは難しいですけど・・)
ミソはグラタンみたいに甲羅に焼き付いてちょっぴりしかありません。お宝ですから。
複雑な味だけど雑味がない。美味しくなりたいと育ったわけでもないのに見事です。

あらかた食べたところで、熱燗を注ぎ、甲羅にへばりついたミソを溶かしましょう。
どうです、甲羅酒。瀬戸内海に住んで良かったと思いませんか?

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▲焼いた時、甲羅からあふれたミソ。こちらも神妙な味がします。

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渡り蟹料理 焼き蟹は食べ尽くせる美味さ

「蟹が焼けました。手に持ってかじってください。熱いうちにどうぞ」と若女将。
懐石のマナーを無視してよいとするこの案内は、お客さんに親切だと思います。

脚のところを手に持って、胴の身(と内子)をかぶりつくのが断然食べやすいです。
脚には身は少ししかありませんが、頑張って食べましょう。

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■阿じ与志 渡り蟹料理 焼き蟹

焼いた渡り蟹の身はいかがですか? 
きめが細かくてしっとりしているでしょ。それに蟹の甘みが強いです。上質ですね。
内子がまた美味しい。半熟でホロホロしたところと、ねっとりしたことろがあってね。
焼くからこそできるんですが、焼き過ぎるとパサパサになるので、焼き加減が要点。
脚の先まで全体を均一に焼くこともかなりのテクニック。いつも感心してます。

殻を割りながら食べるのが楽しい。殻も薄いですから一緒に食べちゃう人もいます。
一匹あれば、かなり「食べで」がある蟹。しかも最後まで食べ飽きないんですから。

「おやおやAさん。小さく割れた殻だけになりましたね。すばらしい食べ方です」
「薄皮も美味しいし、殻も結構たべられます。焼くからですね。美味しかった」

もしもアナタが「阿じ与志で一目おかれよう」と思われるなら、
マナーどおりの美しい食べ方よりも、美しく食べ尽くすほうがよほど高得点
ということを頭に入れて臨まれるとよろしいです。

Aさんの「残骸」を見て女将は感心してました。やっぱりね!

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渡り蟹内子の昆布しめ

「内子の昆布〆です。少し寝かせてから食べてください」と若女将。

そうそう、これもありました。昆布を開いてみてください。生の内子です。
甲羅をはがした時にあふれた分なんです。胴にあれほど詰まっているのに、すごい!

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■阿じ与志 渡り蟹料理 内子の昆布〆

「この内子の昆布〆ですけど、いつが食べ時なんでしょうね?」とAさん。

いい質問です。昆布締めは刺身を昆布で挟んで1晩寝かせるのが一般的ですね。
刺身は昆布に水分を吸われて身が締まり、同時に昆布の旨味は刺身に移ります。
寝かせておく間に、この相互作用が進行するんですね。(詳しくはwikipedia

今回は刺身ではなく、渡り蟹の内子です。実は年末に「実験」をしてます。この記事
この実験をふまえて、ワタシなりの結論(好み)ですけど、

殆ど寝かせないで、今食べることをお薦めします。生の内子が生らしく味わえます。
短時間でも昆布の旨味は染みていますし、塩気も効いてます。もう何も必要なし。

一晩ねかせると、身が硬くなりだんだん飴のようです。味は昆布と塩味が強くなります。
酒の肴に最高だとおっしゃるご贔屓もいますが、なんだかもったいないと思います。

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〆はふぐ雑炊

「あと、雑炊を作りますから」と正ちゃんが皿を下げながら。
ふ~む。ふぐちり鍋は食べてないし、一体何の雑炊かしら?

待つことしばし、「ふぐのあらで出汁をとった、雑炊です」
ほう、これは素晴らしい。絶対美味いですよ!

Fuguzosui

■阿じ与志 ふぐ料理 あら出汁ふぐ雑炊

魚のアラは出汁をとるには最高ですけど、
ことふぐは猛毒があるので、どこもかしこもアラになるわけではないはず?
正ちゃん、一体どこをアラと称したのか。少し心配になってきましたが・・・

Fuguzosui2

アラの正体はすぐに判明しました。▲ 小さな中落ちです。
「小さな」というのは阿じ与志の基準であって、普通中落ちとして通用するサイズ。
これは実に贅沢な雑炊ですゾ。

食べてみました。まるでビーフシチューの肉みたいに柔らかくなってます。
出汁がでるまで煮ると、ふぐといえどもこうなるんだ。(また賢くなりました)
ちり鍋の中落ちの代わりにはなりませんけど、食感は珍しいです。

ふぐ出汁のよくでた雑炊。若いお二人はささっと食べちゃいました。見とれた!

さて今晩は阿じ与志の渡り蟹を食べる会でしたが、ふぐも味わってもらえました。
「とても美味しかったです」と言っていただけました。よかった。よかった。

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正月いけばな

本日は1月7日(土)。まだ松の内です。阿じ与志へご挨拶ということで・・・
10分ほど歩いただけなのに、店に入るや「あ~寒かった」。冬らしくなりました。

Ssyogatukazari_2

奥に大きな生け花(?)が飾られてます。
「蝋梅(ロウバイ)と千両(センリョウ)かな? 正月らしいね」
「全く違います。土佐水木(トサミズキ)万年青(オモト)です」

知ったかぶりで、年初からもう恥をかいてしまいましたが、
今年は福が来ますよう、縁起のよい「ふく」をいただきましょう。

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お正月のつき出し

松の内は例年、お正月らしい特別版のつき出しだね。賑やかだ。
「いろいろあるが、わかるかな?」と店主、もうワタシをテストします!

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■阿じ与志 お正月つき出し (画像クリックで拡大します)

▼問題:これは何という料理でしょう? ヒント お正月にちなんでいます
S2012syogatutukidashi

▼教えてもらった正解 (ワタシは半分しかわからず。50点!)
ふぐ白子煮凝り 
干し椎茸煮物 海胆(ウニ)きんとんかけ 
生節鰹(ナマブシカツオ) 数の子のせ 
唐墨(カラスミ)
青味大根
ふぐ昆布締め
銀杏(ギンナン)
堀川牛蒡(コボウ)鶏肉射込み 口子(クチコ)のせ(注)

注)----------------------------------------------------------------
各々の料理について店主から詳しく聞いたのですが、口子(クチコ)だけご紹介します。
口子(クチコ、コノコともいいます)はナマコの卵巣です。詳しくはwikipediaをどうぞ。
出された口子。松葉の形に切ってあるのに注目して欲しかったそうな!
何と店主自らの手作り。三角形のバチ状にせず、四方形にして干したという。
それで、全体が均一の薄さになり、松葉の形に切り取ることができるのだとか。
ポッキーのようにつまんで、先から少しずつ食べます。海胆と似た香りと味です。

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海鼠(ナマコ)酢のもの

この海鼠(ナマコ)の酢の物などは、誰でも造れそうな料理。
だけど、なかなかありつけないんだな。一体どこが違うのだろう?

Namako

■阿じ与志 海鼠料理 ナマコ酢の物

柔らかくてコリコリしてる。つるりとしたのどごし。これが海鼠だね。
酢のあたりが柔らかくて飲み干せるほど美味い出汁。これが酢の物。

やたら硬くて噛み切れない海鼠。だらしなくズルズルしてる海鼠。
ツンツン尖った酢の匂い。こうしたモノには耐えられなくなります。

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ふぐひれ酒

「はい、お待ちどうさま」と正ちゃんがひれ酒を出してくれました。
寒い時はこれに限ります。さてと、マッチはどこにあるのかな?
「お手伝いしましょう」と隣席のS氏から申し出が。「・・・・・・?」

「私がマッチを担当しますから、ヒレを箸で摘んで上下にゆすって下さい」
ワタクシ、蓋をとり、鰭を摘みました。「そうそう、もっとゆすって」
S氏がマッチの火を鰭に近づけると、ポッと青白い火がつきました。
「そろそろ蓋をして火を消しましょう」「どうです。いい色になったでしょう」

Shirezake

■阿じ与志 ふぐ料理 ふぐひれ酒

これまで「火付けの儀式」は一人でやってましたが、かなりせわしない仕事。
その点、二人でやると、安心確実に火がつきます。なるほど、これはお薦め。
(鰭を振ることで、アルコールもよく気化するし、ふぐ出汁もよくでます)

問題は、次から誰にお願いするかですが・・・

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南風泊(はえどまり) 阿じ与志オリジナルふぐ料理

南風泊(はえどまり)といえば、ふぐ日本一の漁港として名が通っていますが、
阿じ与志にも「南風泊」という名の、どこにもないふぐ料理があります。
座敷で注文がありました。ワタシも食べたくなりました。久しぶりです。

Hayadomari

■阿じ与志 オリジナルふぐ料理 南風泊(はえどまり)

「南風泊ってどんな料理ですか?」と、もし質問されたら、こう答えます。
サラダ感覚のふぐ料理です。炙りふぐは薄造りのふぐ刺しよりも食べ応えがあります。
生の白子もついてます。鉄刺とは違うふぐが味わえます。ぜひ食べてみて!

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▲ふりかけられた海苔をずらすと、下には「ふぐ皮」と「炙りふぐ」が見えます。
ふぐの柵の表面をさっと炙って、1センチ位の厚みに切ってあります。

炙ることで、身は柔らかくむっちりとし、甘みが増します。
厚く切ってあるから、ふぐ刺しにない食べ応えがでます。

かけてあるタレは土佐酢です。酸っぱさは強めですけど当たりは優しいです。
橙(だいだい)は一応食べてみてから、お好みで。紅葉おろしもお好みで。

白子は潰してしまう食べ方もありますけど、ワタシはもったいないからしません。
ちぎるように切り取ってから海苔を少しのせ、ちびちび食べるのが好みなの。

炙りふぐにも海苔をのせると香りがきいていいですね。
ふぐの身質は繊細かつ緻密で、筋っぽさは全くない。すばらしい!

久しぶりの南風泊ですけど、最高に美味しい。食べてよかった!

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鯨のさえずり料理 ( はりはり鍋風豆腐汁)

「今夜のように寒い日は汁物がいいからね」と店主が椀をさし出します。

椀の中身はと。澄まし汁に水菜と豆腐、椎茸、それにベーコン??
いやいや脂身の模様からして、これは鯨(クジラ)。鯨のベーコン?

「初めての汁物だけど、なんという名前なの?」
はりはり鍋もどきの豆腐汁、ってとこかな」。「・・・はりはり鍋?」(注)
「それは鯨ベーコンじゃなくて、鯨さえずり(鯨の舌)」。「・・さえずり?」

う~ん。店主の頭の中は食材とレシピで詰まってる?

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■阿じ与志 鯨さえずり料理 はりはり鍋風豆腐汁

この汁物のオリジンと食材はわかりました。さっそくいただきましょう。
関東煮にある鯨(コロっていうんでしたっけ?)は、どうも食べられないワタシですけど、
このサエズリは薄切りにしてあるせいか、味付けが薄いせいか、ベーコンとほぼ同じ。

澄まし汁にはサエズリの塩味と脂が出て、誠に結構な味になってます。
うん。水菜がいいし。これに餅を入れて「はりはり雑煮」。美味いだろうな。

(注)--------------------------------------------------------------
はりはり鍋は、鯨肉と水菜を用いた鍋料理の一種。大阪を中心とした関西地方の料理である。昆布で出汁をとった鍋に水菜をたっぷりと入れ、鯨肉の脂身のついたものを薄切れにして加える。一般的な鍋料理とは違い、水菜と鯨肉(もしくは鯨肉以外の代用の肉)以外は何も入れない簡素な料理である。wikipedia

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グジ(シロアマダイ)料理 グジ塩焼き

「焼き物にいい魚が入ってるから、食べてみて」と店主。
「関西ではグジ、関東ではシロアマダイというんだ」

京料理の若狭ぐじは有名で聞いてます。一汐して寝かせてから焼くそうです。
関東では焼き物の最高の魚とされ、最も高値がつく魚の一つだそうです。

とても評価の高い魚で今が旬。阿じ与志が料理している。もう絶賛以外ありえない?

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■阿じ与志 ぐじ(シロアマダイ)料理 ぐじ塩焼き

少しピンクががっている身は、ほろりと箸でとれます。
食べてわかりました。白身なのに脂ののりがすごいです。
パリッと焼いた皮も脂がのって美味いです。これが有名なぐじか・・・

でもどうなんだろう。身質に鯛のようなしっとり肌理細かさがない?
脂はよくのっているが、鯛に比べれば大味で上品さが欠けている?
外洋の魚らしく、野性的で荒々しいのが持ち味といえるのだろうか?

好みもあるし、地元贔屓かもしれませんが、ワタシは鯛やあこうの方が好き。
グジ好きの方にはゴメンナサイ。店主にも「わかってない」と叱られそうですけど、

「こういう事についてまず肝心なことは、いつでも自分が本当に感じたことや、
真実心を動かされたことから出発して、その意味を考えてゆくことだと思う」
コペル君の叔父さんのノートより

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焼き餅(栃餅・丸餅・豆餅)

お正月だから、〆はやっぱりお餅にしよう。「一つ焼いてください」
と頼んだのに、なんと皿には丸餅、豆餅、それに茶色の餅です。

「それは栃餅といって、どんぐりの実でつくった餅なの」(注)
そうか店主。珍しいこの餅を食べさせたかったんだね。

Mochi

■阿じ与志 焼餅(丸餅・豆餅・栃餅)

まず栃餅を食べてみよう。苦味はない。コーヒーのような香ばしい匂いがします。
香りがいいので、焼き海苔も巻かず、醤油もつけず、食べてしまった。

子供の頃は米ともち米の混ざった豆餅で、今どこにも見当たらないのが残念。
といったら、「それはもち米が高いから、米を混ぜたの」と真実を告げられました。
「えっ。そうだったの。ボソボソして旨いんだけど・・・」

海苔を巻いて食べるのは丸餅がいいですね。時々醤油をつけて・・・

というわけで、新春の今夜は最高でした。いい気分で帰宅できます。

(注)----------------------------------------------------------
栃餅(とちもち)は、灰汁抜きした栃の実(トチノキの実)をもち米とともに蒸してからつき、餅にしたものである。もち米だけの餅よりも黄土色や茶色がかっており、独特の苦味がある。wikipedia

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あけましておめでとうございます。福山八幡宮初詣

新年あけましておめでとうございます。
皆さまのご健勝を心よりお祈り申し上げます。

Sfukuyamahatimangu2012

元旦にあたり初詣。氏神さまの福山八幡宮に参りました。
明治神宮ほどではありませんが、大行列の賑わいです!

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今年も暮れました。12月末の阿じ与志

いつもコメントいただいている東京のUさま。今晩阿じ与志にいらっしゃいました。
今年3度目だそうです。ご贔屓にしていただき、誠にありがとうございます。(12/29)

お尋ねしますと、昨日午後羽田から飛行機で金沢に飛び、寿司を食べて一泊。
午後、電車で福山に向かったとのこと。で、明日は直島で地中美術館をみてから、
フェリーで高松にいき、飛行機で羽田に戻るそうです。すごい行動力にビックリ!

今宵は東京では味わえない、瀬戸内海の美味しい魚を堪能してくださいね。

Namako

▲海鼠の酢のもの
寒くなると海鼠(ナマコ)ですね。やわらかくてコリコリしてます。美味しい。

Wasabitai

▲鯛の刺身、わさび昆布あえ
千切りにした山葵と昆布を鯛にあえてあります。ピリピリした鯛は酒の肴にいい。

Fuguhirezake

▲ふぐひれ酒
ビールのあとは、Uさまは冷酒。ワタシはいつものひれ酒です。

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▲笠岡神島産 天然牡蠣(カキ)酢のもの
身は小さいけれど引き締まっています。水っぽい養殖牡蠣とは全く別ものです。

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▲とらふぐ白子塩焼き
長径6センチくらい、すっかり大きくなってます。3月以来、久しぶりに頂けます。

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▲寒鰤(ブリ)の刺身
ここからUさまはふぐ。ワタシは鰤。店主が気を使ってくれまして、
「正月にはロクな鰤しか食べられないだろうから、用意しといた」ですって!

脂がたっぷりのった腹身(白い色)と、背身(赤い色)を揃えて盛ってあります。
タレは葉ニンニクの鰤ぬたと刺身醤油の二種。腹身にヌタがいいと思いました。

Burishioyaki_2

▲寒鰤(ブリ)塩焼き
大きな鰤のカマです。ビックリしたな。けっこう身がついてるんです。
それも脂が超のった身が・・。大根おろしをたっぷりつけてくれました。
これがあるから、口がさっぱりします。骨の隅までいただけましたよ。

Yakimoti_2

▲焼き餅
〆は焼き餅にしました。海苔でサンドしてあるので、餅は隠れちゃってます!
すぐ正月ですけど、子供のころのようにワクワクしませんね。


お酒が強いUさま。グイグイ飲まれてましたが、まったく大丈夫です。さて、
今年も本当にありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。

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阿じ与志が食べログに!

食べログって知ってますか?」と二代目の正ちゃんがワタシに聞きます。
「知ってるけど、どうしたの」。「福山の店で1番になってるんです」。「へ~」。

Ajiyoshi

確かに福山地区の点数ランキングで、1位になってます(2011/12/17現在)
3人の方には好意的にレビューしていただき、誠にありがとうございます。

阿じ与志は個性的な店です。料理は最高ですが、おもてなしは期待されないように。
あらかじめご承知いただきますよう、あじよし勝手連より伏してお願い申しあげます。

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もう師走。渡り蟹の美味しい時季に

本日は12月3日。今年はひどい年でしたが、もう師走ですね。
阿じ与志に6時に到着です。今夜は「アレ」がお目当なのです。

そう瀬戸内海のおいしい蟹、内子が楽しめる蟹。渡り蟹(ワタリガニ)です。
▼生簀にいるのを、しっかり確認しました。ワタシの分もあるなと。

Gazami

12gatushinagaki

品書きを見ると、「 ふぐ・かに・鯛・海老・おこぜ」、それに・・・
魚に師と書くのは「鰤(ブリ)」。う~ん、寒ブリ。今夜も期待できます!

「お酒はひれ酒にする?」と女将が尋ねました。「イエス」と答えましたら、
「まてまて。今夜はアレにしなされ」と店主。「アレって何だっけ?」

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チイチイイカ料理 チイチイイカ刺身

チイチイイカ(標準和名 ベイカ)はちっちゃなイカです。当地では見慣れてますけど、
瀬戸内海特有(それも中心部あたりだけ)のイカらしいです。

チイチイイカ釣りは簡単ながら面白いですね。それに、
釣れたのを口に入れると、ツルツルして実に美味い!

最初のつき出しは、このチイチイイカの刺身。

Chiichiika

■阿じ与志 チイチイイカ料理 チイチイイカ刺身

チイチイイカをボイルしてあります。チッチャイくせにイカの甘みがあり、
弾むような若々しい歯ごたえもあります。この持ち味はあなどれません。

かけてあるのは色艶から、「まさかマヨネーズ?」と思いましたが、
全く酸っぱみがない。酢味噌でもなさそうですが・・・???

かけてあるのは「白和え衣」です。ゆずの香りをつけています(女将談)
素材は豆腐と白ゴマということですか、よ~く覚えておきましょう。

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鰤(ブリ)料理 高知の名物料理「鰤ぬた」

次に出された料理は鰤(ブリ)。年末から正月の魚といえば何といっても鰤です。
昔の正月は、雑煮とお節料理、それに焼いたブリばかり食べた気がします。

脂ののった寒鰤は醤油をはじく。といいますが、
今夜の鰤は醤油で食べるのではなく、緑のヌタをかけてあります。

Burinuta

■阿じ与志 鰤(ブリ)料理 鰤ぬた

この料理は以前、阿じ与志で食べたような気がしますが、記憶が定かでない。
気になる緑色したヌタを舐めてみます。ふ~む。酢味噌がメインのようですが、
緑はネギかな?いや違うな・・・・・・(物覚えが悪いとまた叱られそうですけど)
女将、スミマセン。これは何だっけ?

「鰤ぬた」といって高知の名物料理です。かけてあるのは、
ニンニクの葉をすりつぶし、酢味噌で混ぜた「ニンニクぬた」です。(注)
なるほど高知の郷土料理ですか。よくよく覚えておきませう。

それにしても、この鰤。なめらかな食感が上品で素晴らしい。
ギラギラに脂が乗っているとはいえないが、これくらいがいい。
ワタシは関西人らしく、赤身の魚では鰤が一番好きだな。ウン。

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注)ニンニクといっても、葉ニンニクの見かけはネギですね。
香りはネギよりも強く、ニンニクに近いとあります。詳しくはこちら

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ふぐ料理 ふぐ白子酒

アレとはこれでした。ふぐの白子酒です。
もう白子が出たんですね。これはいい。久しぶりです。

Fugushirakosake

■阿じ与志 ふぐ料理 ふぐ白子酒

手に持てないほど熱いけど、日本酒のツンとくる感じがまったくない。
阿じ与志の白子酒は白子のとろみを感じる濃厚さ。これがいいんです。

ミルクの濃厚さは脂肪分ですけど、白子は脂肪ゼロ。あっさりした味です。
ほんのり甘みがあり、マイルドで飲みやすい。

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とらふぐ料理 ふぐ中落ち塩焼き

ふぐの中落ちを鍋で煮るのではなく、焼いて食べる。
これがもう断然美味いのであります。見るだけでわかります。

Fugunakaochisioyaki

■阿じ与志 ふぐ料理 ふぐ中落ち塩焼き

熱いうちにかじりつきます。甘く香ばしい匂いがたまらない。
焼くことで身質に骨まわりのコラーゲンが溶け出し、甘みがぐんと増してます。

隣席のご常連H氏もかぶりつきながら、「うまいねぇ」とつぶやいてます。
骨についた筋は美味しいところですけど、とても食べにくい。

H氏の皿をチラリ見ると、骨だけ。筋らしきものは一切見当たらない。
ワタシもガンバリましたが、あんなにキレイには食べられません。

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中落ちで思い出しました。「ふぐの唐揚げ」という料理があります。
先日、安くて美味しいという某店で食べる機会がありました。
もちろん養殖トラフグですけど、フルコースになってました。
てっさやちり鍋はまじめにがんばっているなと感心しましたが、
唐揚げはイケマセン。身は油まみれ(ジューシーともいうの?)
衣はまるでスパイスの効いたフライドチキン。これでは、
寿司の間にカレーを食べるようなもので、フグだいなし!
(お好きな方にはゴメンナサイ!)

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