ふぐの旨さ (阿じ与志 広島県福山市)
ふぐは不思議な魚です。何といっても内臓には猛毒。鱗の変わりに鋭いとげ。
頑丈な顎と歯で何でも食いちぎりそうだ。スペックからはどんな魚も戦意喪失ですが、
昔の日本人は命をかけて食った。他に食い物はいくらでもあったのに!
ふぐは他の魚に比べて極端に脂肪分が少ない(0.1%)のが特徴です。
だから、ふぐはあっさりしている。淡白だ。でも味がないのとは全く違う。
うまい飯のうまさをどう表現したらよいのだろう。でも日本人なら誰でもわかる。
ふぐはご飯と同じように、毎日食べても飽きないうまさなのだ。旨さに品がある。

▲阿じ与志のふぐ料理 ふぐ刺し
あの小説家、渡辺淳一氏がフグについてこう書いているのを知りました。
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私の故郷の北海道で河豚はとれない。だから、子供のころから食べたことがなかった。私が河豚をはじめた食べたのは、東京に出てきて作家となってからである。したがって
フグとの歴史はせいぜい二十数年にすぎない。
だが今や、冬になるとフグを食べないと落ち着かない。子供のころから成年期まで、
一度も口にしなかったものに、これほど狂ったのはフグがはじめてである。
他に、松葉かにやスッポンが年齢を経てから好物になったものだが、かにの場合は、
その前に、毛がにという似たような美味を知っていたので、新しい発見とはいいがたい。
スッポンも確かに旨いが、これはそう毎日食べたいとは思わない。ステーキのように
月に一、二回か、たまに食べてこそ妙味があるというものである。
だがフグだけは月に十日どころか、毎日食べても飽きない。しかも旨い。
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ふぐの旨さというのは、日本人じゃないと分からないかもしれませんね。
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