阿じ与志、平成二十年正月五日の付きだしとそのお品書きです。(注)
料理名からして正月らしいめでたさ、縁起のよさが伝わってきます。


阿じ与志 正月の付きだし (画像クリックで拡大します)
■幸茸万年煮 天金箔(右) 香茸は「幸茸」とも書き、当地の祝膳には欠かせない。
_煮〆を万年煮としゃれた。金箔は富をあらわす。
■唐墨粕漬(中右上) 緋色のカラスミは子孫繁栄と日の出に通ずる縁起物。
_カラスミはボラの子で作った珍味。酒粕に漬けてまろやかにしてある。
■鱧玉小判(中右下) 渦巻きの伊達巻は発展を意味し、小判は繁栄に通じる。
_小判型にした伊達巻には、生命力のある鱧のすり身を混ぜてある。
■ふく煮凍り 天雲丹(中左) 「ふぐ」は関西では「ふく」と呼び「福」にかけている。
_煮凍りは、ふく皮をふくのゼラチンでかためたもの。上に雲丹がのせてある。
■数の子味噌漬(左)数の子は粒の多さが子孫繁栄につうじる縁起物。
_数の子はニシンの魚卵の塩漬け。塩抜き後、白味噌に漬けてまろやかにしてある。
■子持ち昆布 天おぼろ昆布(左) 昆布はよろこぶに、子持ちは子孫繁栄に通じる。
_子持ち昆布はニシンが昆布の両面に卵を産みつけたもの。卵の厚みにご注目↓

▲2センチくらい卵の厚みがある天然子持ち昆布と数の子味噌漬け
上の付きだし、日本料理の基本技を組み合わせただけだと、店主はさらりといったが、
よくよく聞けば、二日から、もうどんな料理にしようか考えていたという。
完璧料理人の気合が入った、丁寧で手の込んだつくりなのです。
縁起よし、あじよし、見栄えよし、三拍子揃ってめでたいね。
(注と追記)
女将によれば、この「お正月の付きだし」。あれもやろう、これもいいと、
毎日、品数が増えてゆき、最終的には、九品がお皿に載ったようです。
なお、この「お品書き」は店主のメモ書き献立表を奪い取り、
勝手に再現していますので、実際にはありません。
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