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ミシュランの星は皿の上に輝く

あのラーメン屋は、美味しいけど、店員の態度がなっていない。
などという辛口レビューを読むと、お店にすこし同情したくなります。
ラーメンは安くて美味ければ、それだけで、もう充分じゃないの?

美味しさも、快適なサービスも、それなりにコストを伴うものですから、
どちらに重点をおくかは、お店の考え方で、いろいろあって当然です。
ミシュランは二つを別個に評価しています。お店に公平、利用者に親切です。

まず、有名な星のマーク(愛称マカロン)ですが、その基準は、
Star星が輝くのはお店の上ではなく、お皿の上。
料理のカテゴリやお店の雰囲気ではなく、皿の上に盛られたもの、
つまり料理そのものだけが評価されます。評価の基準は5つ(注)
ミシュランガイドブック 「星」が生まれるまで

星とは別にレストランに付与されるマークがあります。「ナイフとフォーク」の印。
Fork快適さやサービスを重視するなら、
フォークとスプーンを基準に

施設の外観や内装、手入れの行き届いた店内か、
サービス、雰囲気など、快適さは、
左の5段階で評価されています。
フォークとスプーンに込められた意味

三ツ星に輝いたすきやばし次郎さんは、スプーン&フォーク1つの快適度
豪華な雰囲気で、美味しい店じゃないとご不満な方は避けたほうがいいです。
ビルの地下にあり、トイレは共同と聞きます。でも、王様になった気分よりも、
料理店は何を基本にすべきか知りたい方は、次が参考になると思います。

このお店、生の魚を扱っているのに、酢のにおいも魚のにおいもしない。
店の清潔なことに、異常なまでに清潔好きなロブション氏が感心した。
そんな食べ方ではもったいない! 山本益博著 187P)

星の判定にあたっては、複数の調査員が食べることはもちろん
厨房、冷蔵庫の中、はては食材の仕入先まで調べるそうです。
暖簾にアグラをかいている店、偽装表示(?)の店はムリです。

ミシュランガイドブックが世界で信頼されているのもうなずけます。
どうやら阿じ与志の店主も、ミシュランのファンになったようです。

(注)マカロン、5つの評価基準
(1)素材の鮮度と品質(2)調理技術の高さと味付けの完成度(3)オリジナリティ
(4)コストパフォーマンス(5)常にクオリティを保つ料理全体の一貫性

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ふぐ白子煮こごり・昆布締め(阿じ与志 広島県福山市)

東京にお登りさんして福山に帰ってきました。阿じ与志に直行です。

「コンビビアリテ(懇親性)」はロブションより、ここのほうが肌になじむなあ。
などと、恵比寿を飲みながら、もう評論家気取りで話していると出ました。

Fugutukidasi

阿じ与志の付きだし 
ふぐ白子の煮こごり ふぐ昆布締め天口子(クチコ) エシャロット

ふぐの白子の煮こごりは始めてです。白子に出汁がしみています。
ゼラチンに浮かぶのは白髭葱。このあたりもうまいです。
とらふぐの昆布締めに振りかけてあるのは、雲丹を干したものかなと思いましたが、
なんと、ナマコの卵巣を干した口子(クチコ)。阿じ与志の特注品で尾道産だそうです。
珍しいアクセントで、なかなかいけます。

浮気もいいものですけど、阿じ与志のいいところも再認識しました。
いつ、何を食べても美味しい。何度食べても飽きない。

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てっさ (阿じ与志 広島県福山市)

日本は恵まれた風土のおかげで、新鮮な食材が苦労なく入手できました。
だから、食材の美味しさを引き出すのが料理と考えてきました。

新鮮な素材が入手できなかった貧しい風土で生まれたフランス料理だからこそ、
良質な素材そのものの美味しさを生かす「シンプル・フレンチ」は新しい概念ですが、
日本人にとっては当たり前のことで、目新しいことではありません。

ただし、刺身は日本料理のシンポルです。
もし、革命家のロブションが刺身をフランス料理に取り入れたら、
外国人力士が登場したとき以上の論争を日本に巻き起こすでしょうね。
阿じ与志のてっさ(鉄刺・ふぐ刺し)を前に、想像をたくましくしてみました。

Fugusashi

てっさは、ポン酢に紅葉おろしで食べるものと相場が決まっていますが、
これ以外に、てっさの美味しさを生かすようなソースはありえないのでしょうか?

鉄刺の基本を守りつつ、これまでの鉄刺にない新しい美味しさ。
ふぐが看板の阿じ与志をひきつぐ正ちゃんなら、いずれやりそうな気がします。

Tokyo-Shockが抜けきらないままに書いたら、えらそうな調子になりました。
ご無礼をお許しください。

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ふぐ白子酒(阿じ与志 広島県福山市)

ふぐの白子酒を初めて飲んだのは、阿じ与志です。
以来、一月の末ころから品書きにのりますので、大抵頂きます。

Fugushirakosake

阿じ与志の白子料理 とらふぐの白子酒

日本酒に弱いワタシですが、白子酒は口当たりがよく、とても美味しいです。
白子酒とはこんなもんだと思っていましたが、別のお店で試してみたら、
やたら酒が強く、白子独特の甘み、とろみがありません。これが白子酒??

白子酒に限らず、ふぐはとても高いので、食する機会もめったにないと思います。
それでも奮発して注文すると、なんだこれはたいしたことはないじゃないか!
となる可能性が多々あることを、僭越ながら注進申し上げます。

本当によい食材を使えば、それなりに高い値段になります。
値段が高いから、よい食材を使っているとはかぎりませんが、
安くて、とびきり美味しいというのは、まずありえない話です。

舌の肥えた食通は、グルメサイトのレビューなんかに投稿しませんから、
最高に美味しいものを食べたい方は、インターネットは参考にとどめ、
地元の信頼できる人にたずねるのが一番だと思います。

またまた、話が白子酒から脱線してしまいました。スミマセン。

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とらふぐ白子塩焼き(阿じ与志 広島県福山市)

天然とらふぐはべらぼうに高いですから、ほとんどのお店は養殖とらふぐです。
天然も養殖も同じとらふぐですから、味は「ほとんど」同じです。微妙に違うだけです。
その違いは、どこから生まれるのかといえば、

養殖とらふぐは、過密な生簀でストレスが堪るからか、ふぐ同士のかみ合いが多いし、
天然物に比べ、魚病や寄生虫に対する免疫力が弱いのです。それで、
抗生物質を与えたり、消毒しています。(ホルマリンが問題になりましたね)
つまり、なりは促成で一人前ですが、いつもいらいらしているひ弱な若者なのです。

天然とらふぐでも、阿じ与志で使っている3キロ(体長60センチ)ものとなると、
そこまで成長するのに5年かかるそうです。厳しい自然の環境の中では、
生命力の強さと強運の持ち主でなければ、これほど長くは生き残れません。
あの天下一の南風泊漁港で、日に10本も集まることはないそうです。

生物界の雌は子孫を残すにあたっては、例外なく強い雄を求めます。
強い雄の精子は生命力も強いと、本能で知っているに違いありません。
DNAはどんなとらふぐの白子も同じでしょうから、神秘的な話ですね。

Torafugushirako

阿じ与志のとらふぐ白子料理 ふぐ白子塩焼き

ふぐの白子はほとんどのお店で、丸ごと出されていますが、
ウズラの卵くらいの大きさから、最大でもSサイズの鶏卵以下でしょう。
これはとらふぐが養殖もので、1キロ程度の大きさだからですネ。

阿じ与志のとらふぐは3キロもので飛び切りでかいですから、
白子も2月になると、手のひらに収まらない大きさになります。
輪切りにした白子の直径は6センチを超えてます。
(3月はもっとでかくなります!)

違いを強調しましたが、養殖とらふぐの白子だってたいそう美味です。
まだ食べたことのない方は、ぜひお試しください。始めは、白子酒よりも、
この塩焼きをお勧めします。小さくても白子100%ですから味がよく分ります。
そのときには、阿じ与志のふぐ白子を思い出してくださいね。

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ふぐちり鍋(阿じ与志 広島県福山市)

「よきもの」について、自分なりに目利きができるようになれれば楽しいでしょうね。
その近道は、最高であると評価が確立しているものを、見たり触ったり食べたりして
自分なりに、まずそれを味わってみることだと思っています。

そのとき、本当に目利きができる人と一緒なら、さらにいいですね。
どうして最高なのか、どこがポイントなのか、どう味わえばいいのか、
その人の見方を教わることができます。絵画など芸術品の鑑賞と同じです。

最高のものが自分なりに分るようになれば、あとはそれと比較して、
山頂から見下ろすような視野で見ることができます。流行に振り回されません。

Torafugunabe
阿じ与志のふぐ料理 ふぐちり鍋

ところで、話題のミシュランガイド東京2008で、ふぐ料理から4店が選ばれています。
  星二つ 臼杵ふぐ山田屋 つきじやまもと  星一つ やま弥 味満ん

東京で最高のふぐ料理と、ミシュランがおり紙をつけたお店です。
東京のお山は福山より高いのか、自分で登って確かめてみたいですね。
魚の目利きには事欠きませんから、皆さまによくよく教えていただだいた上で、
来年の二月ころにチャレンジです。

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ふぐ雑炊(阿じ与志 広島県福山市)

帰ったばかりの今晩は、阿じ与志のふぐ、フルコースとなりましたが、
やっぱりふぐの雑炊で締めないと、おさまりが悪いです。

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阿じ与志のとらふぐ料理 ふぐ雑炊

雑炊もそうですが、阿じ与志の料理は神経が行き届いているのに、
わざとらしさがない。いや、過剰に演出するのがきらいなんだね?

大勢のお客さんにだす料理を次々と作る山場も過ぎ、
店主も一息ついたら、舌がよく回りだしました。

銀座の泰明小学校近くにあった日本料理屋で、若いころ修行したそうですが、
板長を頂点とする徒弟制度で、今では考えられないくらい厳しく仕込まれた。
銀座ACBや日劇の芸人さんたちが店に来ていたそうで、懐かしそうに話したね。
店主もワタシも青春時代に過ごした東京は、第二の故郷という感じなんです。

今晩も、美味しいものを楽しくいただけました。フル充電でパワー回復!

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ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション

東京に行ったら、寄って見ようと思っていたお店、ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション
(ミシュラン東京2008で星2つ。スプーン&フォーク2つ 現代風フランス料理)

今、世界でもっとも閃いている料理人、ロブション。
新しい店は、日本の寿司屋からインスピレーションがわいたという。
カウンタースタイルを「コンビビアリテ」というところは、仰々しいですが、
内装はシックで華やか。さすがフランスのセンス。うなります。

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良質な素材そのものの”おいしさ”を生かした”シンプル・フレンチ

確かに、これまでの重々しいフランス料理とは一線を画してます。
素材の持ち味を生かす薄味で、これが今風フレンチというわけだ。
日本料理の真髄を自家薬籠中の物とし、彼の美学で作った感じです。

歌舞伎座で一幕を観てから、ロブションのランチ。粋であでやかな世界に触れ、
田舎のお登りさんが、すっかり目を丸くした一日でした。

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