ふぐ刺しの進化論的考察(?)

地球上に存在する生物界に見られる驚くべき多様化について、少しでも知ると、
進化とは、生物のもつ「すべて可能性」を試している歴史。と考えたくなります。(注1)

目の前に出されたふぐ刺しはその一例であるまいか?

Sffugusahi

■阿じ与志 ふぐ料理 ふぐ刺し

ふぐ刺しの魅力は弾力のある歯ごたえと、淡泊で上品な味ですが、もちろん
美味いといわれたい一心で、ふぐは進化したわけではありません!(注2)

ふぐの祖先は敵から身を守るのに、なぜか素早く逃げる方法をとらなかった。
たまたま身を膨らませて大きく見せたら、敵はビビって戦意喪失したんだね。
防御として効果があったので、もっと大きく身を膨らませる方向へと進化した。
防御法としては他にもあるのにもかかわらず、この可能性に賭けた?(注3)

「膨張のう」という水をため込む袋を作り、内臓を守る大切な肋骨を退化させ、
かわりに、伸縮力と防御力をあわせもつ強力な筋肉へとどんどん進化した。

ふぐ刺しの美味さは、ふぐが進化で獲得した「筋肉パワーの美味しさ」なんだ!

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注1)進化のミニストーリー
地球は約46億年前に誕生し、地表が冷えた後、比較的早い段階に、生物の祖先である単細胞生物が現れた。約10億年まえに単純な多細胞の植物・動物が海に現れ、すぐ後のカンブリア紀の爆発と呼ばれる期間に、現代の全動物の体制(門)のほとんどが出そろった。約5億年前に、植物と菌類は地上に進出し、すぐに節足動物や他の動物が続いて、地上の生態系の発展につながった。ヒト属(ホモ属)はおよそ200万年前にアフリカでアウストラロピテクス属から別属として分化し、ヒト(ホモ・サピエンス)は40万から25万年前に現れた。wikipedia-進化 wikipedia-人類の進化
注2)「知識の宝庫! 目がテン!ライブラリー」などを参考にしたワタシの仮説です。
注3)ふぐ体内の猛毒は最強・最終の防衛手段かとも思われますが、目的は謎です。

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蒸しちり(タジン鍋のふぐ料理)

まずは日経トレンディネットの記事から

簡単かつヘルシーな蒸し料理がブームだが、その象徴といえるのが「タジン鍋」人気。野菜から出る水分などで調理できる点が魅力で、タジン鍋の専用コーナーを設ける店があるほど・・・
阿じ与志は保守的に見えて、実はかなりトレンドに敏感な店なのです。
流行りのもの、話題のものは、こだわりなく、とにかく取り寄せてみる。
面白いとなれば、とことん研究して自家薬籠中の物としてしまう。

そんな阿じ与志の気にいったのがこの「タジン鍋」。10月に松茸をこれで食べましたが、
その時「今年はこれを使って蒸すふぐちりをやるから」と店主がいいました。

▼今、その楽しみな「蒸しふぐちり」を食することができます!
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■阿じ与志のふぐ料理 「むし千里」(タジン鍋 蒸しふぐちり)

鍋は蓋がされてコンロの上に。う~ん。これではどうなっているのかわかりません!
「ああ、まだ蓋を開けちゃダメ」と正ちゃんにいわれても、どうしても見たくて、こっそり。

▼てっぺんに椎茸。白菜が山盛りに見えますが、ふぐの中落ちはどこにあるの?
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▼正ちゃんが途中一度蓋をとり、下仁田葱を返しました。10分間ほどで出来上がり。
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ふ~む。これは一見、ふぐ料理ではなく、温野菜料理に見えます。
中落ちを探すより、まず椎茸、つぎは白菜と、上から食べるほうがよさそうです。

椎茸はそれほど感じませんでしたが、白菜の甘みにはちょっと驚きました。
下仁田葱もそうですが、野菜自体の水分で熱し、蒸気として逃げているので、
ふんわりしているのに水ぽくない。本来の味が引き立っています。

ちり鍋と同じようにポン酢ともみじおろしがついてますが、
何もつけずにまず味わってみたほうがいいですね。

▼白菜を食べると、おまちかね。主役の「ふぐの中落ち」があらわれます。
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蒸したふぐは煮たのより身離れがいいね。なぜだろう?

中落ちの骨にたっぷりついているゼラチンは、とても美味しいところです。
骨と筋肉をくっつける役割をしていますが、蒸すと、100度近い熱で溶けだす。
身離れがよくなり、身質には旨いゼラチンが溶け込んでいる。というわけ!

ふぐを蒸す調理の良い点はまだあります。焼くように身が硬くならず、
煮るように身の旨みが外の汁に逃げださず、ふっくら美味しくなること。

というわけで、ふぐの中落ちは、煮るより蒸すほうが美味しい。

中落ちの下に敷かれているのは、なんと白菜の芯。きれいに角切りされています。
とても柔らかく、白菜にこんな甘みがあるとは知りませんでした。

「むし千里」は阿じ与志ならではのオリジナルふぐ料理だね。
大皿に盛られた「ふぐちり」の見栄えのよさには太刀打ちできないけど、
美味さでは、おおいに勝ち目がある。花より団子派に◎のお薦めです。

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とらふぐ料理 ふぐ刺し

阿じ与志は喰い切りの一品料理屋ですから、何をどういう順番で食べてもいいのです。
あえてコースと言えば、こうなります。

1. つき出し(前菜の料理)
2. お刺身(主菜の料理)
3. 焼く、または煮る魚料理(主菜の料理)
4.ご飯もの(締め)
というわけで、これまで出た料理は「つき出しの小料理」。次はお刺身ですネ。
今の時季、阿じ与志の主役はふぐと蟹です。蟹は刺身にしませんから、
基本的に「ふぐ刺し」です。他にどんな魚があるかは、その日のお楽しみ。

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■阿じ与志 とらふぐ料理 ふぐ刺し

十月にふぐが始まってから、今夜でもう四度目のふぐ刺しです。
寒くなるに従って、だんだん旨みが増すと聞いているのですが、
正直言ってわかりません! ええ~い。もう、旨けりゃそれでいい。

美味しく味わえるあいだに、美味しいものがあれば、二度とないと思って食べる。
ワタシはキリギリスが好き。病院や施設に行ってしまえばアリもできませんから。

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松茸とふぐをしこたま食べる会 (10月23日)

今夜は年に一度の会合のある日。今年はメンバーがふえて6名です。
会には大切な名目はあるのですが、なにせ会場が阿じ与志ですから、
本音が見え見えです。そう、今夜は太っ腹なスポンサーが主催する、

別名、阿じ与志の松茸とふぐをしこたま食べる会。

Skinen

プロローグは宴たけなわのシーンです。今回の一連の記事で、
ビジターの皆さまも「松茸とふぐをたらふく」味わってくださいね。

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ふぐひれ酒

つき出しを平らげたら、いよいよ今夜の主役、阿じ与志のふぐです。
お酒もやっぱりふぐのひれ酒で行こう。ということで衆議一決。

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▲ 阿じ与志のひれ酒には、こちらの長軸マッチが一緒にでます。
軸の長さが2倍ありますから、安心してひれ酒に火をつけることができます。
ちょっとレトロな意匠のパッケージが面白いでしょ。

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■阿じ与志 とらふぐ鰭酒(ひれざけ)

こんがり焼けた鰭が2枚入ってます。大きくて茶碗からはみ出しそうですけど、
これならつぎ酒で3杯でも大丈夫です。のんべいさんも満足なご様子!

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鉄刺(てっさ)の美味しさ

Yahoo!知恵袋は面白いです。匿名ゆえの本音の質問があります。
「ふぐ」で検索すると、こんな質問がかなりあります。同じ思いの方が多いのでしょう。

Q1:ふぐって本当に美味しいと思いますか?
ふぐの刺身に限りなのですが、私はポン酢の味しかしません。
Q2:ふぐってどんな味ですか?
前に刺身で少し食べましたがよくわかりませんでした。

目の前の阿じ与志のふぐ刺しを見て、この質問を思い出しました。

Fugusashi

■阿じ与志 ふぐ料理 鉄刺(てっさ)

ポン酢につけずに一切れ食べます。う~ん。これを「味がない」としか感じないとは?
いくらなんでもあり得ないと思いますが、フグにもピンからキリまでありますから・・・・

関東の方が薄味のすまし汁を「味がしない」と評されるのに、驚いたことがあります。
昨今は濃い味、コッテリした味になれた方がとても多いです。若い方は特に。

ワタシは白内障の手術をしました。術後、初めて眼内レンズからみる世界にびっくり!
見るものすべてが、まぶしいほど鮮やか。豊かでくっきりしてます。
他の人はこう見えていたのか?とても損してたような気がしました。

この貴重な経験をもとに(老婆心ながら)申し上げますが、
濃い味しかわからない方は、食べる楽しみの半分も味わっていないと思います。
健康のことも考え、日ごろまず薄味に親しまれ、その後、もう一度フグを食べてみて。

幸いにも、今夜のメンバーで、ふぐ刺しの美味しさがわからない人はいませんし、
阿じ与志のふぐは他のとどう違うかを論じるくらいレベルが高い(オホン)。

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至上のふぐちり鍋 松茸つき 

今夜はみんな、最高のふぐちり鍋が食べられると期待してます。
いよいよ、大皿に盛られて登場です。3人前ずつの二皿には・・

おお。すごい松茸が! どうだ、といわんばかりの迫力です。

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阿じ与志のふぐ料理 ふぐちり鍋 松茸つき(広島県神石産)三人前

これは最高の松茸だ。ぶっとくて形がよい。見ごたえがあります。
手に持って確かめています。う~ん。200グラムはあるんじゃないか? 
阿じ与志のふぐの切り身はでかいですが、それが小さく見えます。

こんな大不作のなか、客の期待に十分以上に応えてくれました。
全員、食べる前から大満足です。

Fuguchiri2

六人が二つの鍋で、最高、至上の松茸とふぐを、しこたま食べました。
松茸のいい香りが座敷を満たしています。ああ美味かった!

世界はいざしらず、日本でこれ以上の贅沢な料理があるのでしょうか?
福山に住むワタシたちは幸せです。こんな店が身近にあるのですから。
 

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ふぐ雑炊(松茸だし)

ふぐちり鍋のあとは、ふぐ雑炊ふぐ茶漬けで〆るのが筋書きです。
今夜は最高の松茸が入っていたし、鍋も二つあることだから、両方食べたい。
というわがままなリクエスト。いいですよ。と正ちゃん。

待つことしばし。・・・・まず雑炊から。と、鍋ごともってきてくれました。

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■阿じ与志のふぐ料理 ふぐ雑炊

鍋奉行が鍋から腕についでくれました。
海苔をかけたら、熱いうちにさっさと食う!

Fuguzosui2

今夜のふぐ雑炊はことのほか旨いです。
ふぐの出汁にくわえて、松茸の香りと出汁がよくでてます。

ワタクシもう満腹で、ふぐ茶漬はとうてい無理でしたが、
それでも出汁だけ少し所望! 大変いい味でした。 

ということで、
今夜の「ふぐと松茸をたらふく食べる会」はめでたくお開き。
会がこれからもずっと、いやさかに続かんことを!


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十月のつき出し (阿じ与志 広島県福山市)

友からの誘いなら喜び勇んででかけます。十月になって二度目の阿じ与志です。
お互いの健康を祝し、ビールでまず乾杯。あとはめっきり秋らしくなったので熱燗に。
さて、今夜のつき出しはなにかな?

Stukidashi

■阿じ与志 十月のつき出し 小芋・河豚皮の煮凝り・河豚の昆布締め

◆小芋
お団子みたいですけど、特製の海老粉をまぶした小芋です。
十五夜~十三夜のあたりは小芋がおいしい時季なんだそうです。

◆河豚皮の煮凝り
河豚の皮は刺身では歯ごたえが楽しいですが、ゼラチンの多い所ですから
煮凝りにしてもとても美味しいです。煮凝りとしては贅沢すぎるような?

◆河豚の昆布締め
生では噛み切れないような弾力のある河豚の切身も、昆布締めにすると、
羊羹のような歯ごたえをした昆布の旨味のある別の食い物になりますね。

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鉄刺(てっさ) (阿じ与志 広島県福山市)

今の時季、阿じ与志の主役はとらふぐです。
10月から、もう2度食するワタクシ。幸せものに違いないです!

Sfugusashi

■阿じ与志のフグ料理 鉄刺(てっさ) 

塩田丸男氏は「フグが食いたい」(注1)で、刺身の切り方について触れてます。(20p)

フグの刺身は皿の絵模様が切り身を透かして見えるくらい薄く切る。
・・・・鶴盛りや菊盛りなど青磁の大皿に盛ったフグの刺身は、見て美しいものだが、味ということでは、私には異論がある。フグの刺身を薄造りにするのは、フグの肉が強靭で、マグロの刺身のように厚く切ったのでは噛み切れないからだ、とものの本にかいてあるが、賛同しがたい。
確かにフグの身は硬くて噛み切りにくいが、それをしつこく噛みつづけることで、フグの本当の旨みが口中いっぱいに広がってくるのである。
・・・小島政二郎はこんなふうに書いている。
「河豚を、あんなに薄く切ってしまっては、河豚の本当のうまさは消えてしまう。もっと惜しげもなく厚く切らなくては・・」魯山人は常にそういって、大皿の絵模様が朧に霞んで見えるような薄切りを喜ばなかった。・・・
塩田先生はマグロの刺身ほども厚い鉄刺がよいとされているようです。
う~ん。薄すぎるのはちっとも旨くない、という点では同意いたしますが、
するめみたいに、いつまでも噛まなきゃ旨みを味わえないのはちょっとネ!
厚切のフグを楽しみたいなら、炙りの南風泊(はえどまり)をお奨めします。

ワタクシ、 鉄刺は噛み心地と、のどごしを楽しむ贅沢な料理だと思います。
皆さまのご意見はいかがですか?

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1)この本についてはこちらの記事でご紹介しています。

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