12月のつき出し(ガラエビ)

今年ももう師走の五日(土曜日)。風が吹いて寒いです。冬らしくなりました。
今晩の阿じ与志は、府中のご贔屓が先客です。隣席させていただくことに。

ご贔屓から面白い話が聞けて楽しい。つい食べるのを忘れるほどはずみます。
そうなると誰かの機嫌が悪くなります。ごもっともです。

出された料理は(最高の状態ですから)、すぐ食べないといけません!

Sgaraebi

■阿じ与志 師走のつき出し ガラエビ

今晩、最初のつき出しはガラエビ。瀬戸内海の小さな海老です。
身は小さいですが、弾力があって甘味が強く、とても美味です。

新鮮なガラエビのむき身を、少し刻んで昆布で〆てあります。
ワタシが大好きなつき出しのひとつです。

ということで、最初に出されたつき出しはすぐさま食べましたが、
話に夢中になるのが、ワタシの悪い癖。つぎはどうなるやら?


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なまこ料理

つぎのつき出しは、時季のなまこです。

日本でなまこ料理といえば酢のものくらいしか思い当たりませんけど、
台北で出された料理。一匹丸ごと、20センチくらいのがスープに浮かんでました。
とても高級で美味な料理と聞きましたが、失礼ながら箸をつけられませんでした。

Snamakosunomono

■阿じ与志のなまこ料理 なまこ酢のもの

なまこは酢のものにして、カリコリした歯ごたえと、ツルリとした喉ごしを楽しむもの。
でも、中国の方が食したら、「硬くてまずい!」というような気がします。
「どうしてこれがいいんだ」と聞かれても、答えようがありませんけど・・・

味覚神経は同じなのに、食文化が違うと美味しさの基準がまるで違う。不思議です。

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ふぐ刺しの進化論的考察(?)

地球上に存在する生物界に見られる驚くべき多様化について、少しでも知ると、
進化とは、生物のもつ「すべて可能性」を試している歴史。と考えたくなります。(注1)

目の前に出されたふぐ刺しはその一例であるまいか?

Sffugusahi

■阿じ与志 ふぐ料理 ふぐ刺し

ふぐ刺しの魅力は弾力のある歯ごたえと、淡泊で上品な味ですが、もちろん
美味いといわれたい一心で、ふぐは進化したわけではありません!(注2)

ふぐの祖先は敵から身を守るのに、なぜか素早く逃げる方法をとらなかった。
たまたま身を膨らませて大きく見せたら、敵はビビって戦意喪失したんだね。
防御として効果があったので、もっと大きく身を膨らませる方向へと進化した。
防御法としては他にもあるのにもかかわらず、この可能性に賭けた?(注3)

「膨張のう」という水をため込む袋を作り、内臓を守る大切な肋骨を退化させ、
かわりに、伸縮力と防御力をあわせもつ強力な筋肉へとどんどん進化した。

ふぐ刺しの美味さは、ふぐが進化で獲得した「筋肉パワーの美味しさ」なんだ!

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注1)進化のミニストーリー
地球は約46億年前に誕生し、地表が冷えた後、比較的早い段階に、生物の祖先である単細胞生物が現れた。約10億年まえに単純な多細胞の植物・動物が海に現れ、すぐ後のカンブリア紀の爆発と呼ばれる期間に、現代の全動物の体制(門)のほとんどが出そろった。約5億年前に、植物と菌類は地上に進出し、すぐに節足動物や他の動物が続いて、地上の生態系の発展につながった。ヒト属(ホモ属)はおよそ200万年前にアフリカでアウストラロピテクス属から別属として分化し、ヒト(ホモ・サピエンス)は40万から25万年前に現れた。wikipedia-進化 wikipedia-人類の進化
注2)「知識の宝庫! 目がテン!ライブラリー」などを参考にしたワタシの仮説です。
注3)ふぐ体内の猛毒は最強・最終の防衛手段かとも思われますが、目的は謎です。

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蒸しちり(タジン鍋のふぐ料理)

まずは日経トレンディネットの記事から

簡単かつヘルシーな蒸し料理がブームだが、その象徴といえるのが「タジン鍋」人気。野菜から出る水分などで調理できる点が魅力で、タジン鍋の専用コーナーを設ける店があるほど・・・
阿じ与志は保守的に見えて、実はかなりトレンドに敏感な店なのです。
流行りのもの、話題のものは、こだわりなく、とにかく取り寄せてみる。
面白いとなれば、とことん研究して自家薬籠中の物としてしまう。

そんな阿じ与志の気にいったのがこの「タジン鍋」。10月に松茸をこれで食べましたが、
その時「今年はこれを使って蒸すふぐちりをやるから」と店主がいいました。

▼今、その楽しみな「蒸しふぐちり」を食することができます!
Smushichiri1

■阿じ与志のふぐ料理 「むし千里」(タジン鍋 蒸しふぐちり)

鍋は蓋がされてコンロの上に。う~ん。これではどうなっているのかわかりません!
「ああ、まだ蓋を開けちゃダメ」と正ちゃんにいわれても、どうしても見たくて、こっそり。

▼てっぺんに椎茸。白菜が山盛りに見えますが、ふぐの中落ちはどこにあるの?
Smushichiri2

▼正ちゃんが途中一度蓋をとり、下仁田葱を返しました。10分間ほどで出来上がり。
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ふ~む。これは一見、ふぐ料理ではなく、温野菜料理に見えます。
中落ちを探すより、まず椎茸、つぎは白菜と、上から食べるほうがよさそうです。

椎茸はそれほど感じませんでしたが、白菜の甘みにはちょっと驚きました。
下仁田葱もそうですが、野菜自体の水分で熱し、蒸気として逃げているので、
ふんわりしているのに水ぽくない。本来の味が引き立っています。

ちり鍋と同じようにポン酢ともみじおろしがついてますが、
何もつけずにまず味わってみたほうがいいですね。

▼白菜を食べると、おまちかね。主役の「ふぐの中落ち」があらわれます。
Smushichiri6

蒸したふぐは煮たのより身離れがいいね。なぜだろう?

中落ちの骨にたっぷりついているゼラチンは、とても美味しいところです。
骨と筋肉をくっつける役割をしていますが、蒸すと、100度近い熱で溶けだす。
身離れがよくなり、身質には旨いゼラチンが溶け込んでいる。というわけ!

ふぐを蒸す調理の良い点はまだあります。焼くように身が硬くならず、
煮るように身の旨みが外の汁に逃げださず、ふっくら美味しくなること。

というわけで、ふぐの中落ちは、煮るより蒸すほうが美味しい。

中落ちの下に敷かれているのは、なんと白菜の芯。きれいに角切りされています。
とても柔らかく、白菜にこんな甘みがあるとは知りませんでした。

「むし千里」は阿じ与志ならではのオリジナルふぐ料理だね。
大皿に盛られた「ふぐちり」の見栄えのよさには太刀打ちできないけど、
美味さでは、おおいに勝ち目がある。花より団子派に◎のお薦めです。

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〆は雑煮で

「蒸しちり」はふぐ雑炊ができない。無水鍋を使うのだから当然のことなのですが、
食べられないとわかると、余計に食べたくなるものです。

「餅を食べたら?」と店主がすすめてくれました。

Szouni

■阿じ与志の雑煮

正ちゃんが手渡してくれた雑煮の腕には、なんと餅が三つも入ってます!
よもぎ餅、あわ餅、それに白餅。餅は好きだが、こんなに食えるだろうか?

と心配するほどのこともなく、全部たべてしまいました。、出汁がうまいからだね。

今夜は、新しいふぐ料理を食べられたし、ご贔屓からはタメになる話を聞けたし、
楽しい時間を過ごせました。大満足でご帰宅です。

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立冬の今夜は、旬の渡り蟹(ワタリガニ)で

冬の美味い食べ物といえば、蟹(カニ)を思い浮かべる方が多いですね。
日本海の松葉蟹・越前蟹(ズワイガニのオス)はとても有名ですけど、
美味いのは、何といっても瀬戸内海の渡り蟹(ワタリガニ)です。

ことに雌の渡り蟹は、優美な身質に、絶品の内子とミソが詰まっています。
最高の蟹だ。といっても決して身びいきの過言ではありません。(筆者力説ス)

Watatigani
▲ワタリガニ 岡山県HPより

本日は立冬(11月7日)。旬の渡り蟹を阿じ与志で堪能することに・・・
今夜の展開やいかに? いつものように以下の記事でご紹介します。
皆さまもたっぷり味わっていただければ幸いです。

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11月のつき出し(2) 雲子(クモコ)

今夜のつき出しはなんだろう? 近ごろはちょっと変わったのが多いから・・
上のは練り物みたいですけど? 下のきれいに緑したのも?

Tukidashi

■阿じ与志 十一月のつき出し 雲子と葱ポン(?)

タラの子(注)をつぶし、河豚皮を混ぜてかためて作った。
ということだけど、なんだかわからぬままに食べてみることに・・・・・・
かすかに鱈(タラ)のにおいがします。上等な蒲鉾のような食感です。
それにしてもタラの子って何だろう?タラコじゃないみたいですけど。 

海藻類のように見えますが、実は葱。きれいな緑色してます。
下仁田葱の緑の部分をすり潰したら、こうなるんだって。ほ~。
そう言われてから食べるので、確かに葱の味がしますけど、
ポン酢が青臭さを消しているので、ちょっとわからないかも。
「葱ポン」と勝手に名づけました!

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タラの子とは真鱈(マダラ)の白子のこと。雲子(クモコ)ともいいます。
ちなみにタラコはスケソウダラの卵巣です。(女将談)


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11月のつき出し(2)

つぎのつき出しは、三品が並べてあります。
まず素直に食べて味わう。そのあと尋ねることにします。

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■阿じ与志 11月のつき出し(2) ガラエビ・コハダ・マダコ

左の一品:
海老の味がします。なかなか美味しい。海老だけのすり身ではない?
・正解→がら海老のこぶ締めを固めて作ります。

中の一品:
何かを芯に、コハダをぴったり巻いてあります。銀箔みたいで面白いですね。
中のものは歯触りからするとイモのようですけど、何だろう?
・正解→中のものは、蒸した長いもを黄身酢と混ぜて作ります。

右の一品
これは誰がみてもマダコ。太くて柔らかいから、マタコの噛みごこちを味わえます。
謎ときの楽しみはありませんが、安心(?)して食べられます。

美味しいものは、ああ美味しい。と、感じるだけで十分なはずなのに、
美味しいものは、なぜ美味しいんだろう。と、つい考えてしまうのです。

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海鼠(ナマコ)酢の物

海鼠(ナマコ)は、どうして冬しか食べないのだろう?
不思議に思ってましたが、理由があるんですね。香川の魚>ナマコ

ナマコは春に産卵し、夏の水温の高い間はじっとして、味が落ちます。
涼しくなると活動を再開し、冬に旬となります。このことから、県漁業調整規則により、4月1日から10月31日まではとることが禁じられています。
解禁になったばかりのナマコがさっそく出ました。

Namako

■阿じ与志の海鼠料理 ナマコの酢の物

ナマコ料理といえば酢の物。大根おろしと橙(ダイダイ)あしらうのが基本だね。
初物のナマコは磯の香りがいい。コリコリが強くて、カリコリしてます。
いつまでも、くちゃくちゃやってると、店主たまらず一言。

ナマコは二三口噛んだら、つるっと喉をすべらせるものなの!
手を動かしながら、どうやって客を見てるのだろう?器用な人ですネ。

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とらふぐ料理 ふぐ刺し

阿じ与志は喰い切りの一品料理屋ですから、何をどういう順番で食べてもいいのです。
あえてコースと言えば、こうなります。

1. つき出し(前菜の料理)
2. お刺身(主菜の料理)
3. 焼く、または煮る魚料理(主菜の料理)
4.ご飯もの(締め)
というわけで、これまで出た料理は「つき出しの小料理」。次はお刺身ですネ。
今の時季、阿じ与志の主役はふぐと蟹です。蟹は刺身にしませんから、
基本的に「ふぐ刺し」です。他にどんな魚があるかは、その日のお楽しみ。

Fugusashi

■阿じ与志 とらふぐ料理 ふぐ刺し

十月にふぐが始まってから、今夜でもう四度目のふぐ刺しです。
寒くなるに従って、だんだん旨みが増すと聞いているのですが、
正直言ってわかりません! ええ~い。もう、旨けりゃそれでいい。

美味しく味わえるあいだに、美味しいものがあれば、二度とないと思って食べる。
ワタシはキリギリスが好き。病院や施設に行ってしまえばアリもできませんから。

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