だんだん寒くなると鍋料理の季節になります。
当節は「鍋料理の正しい食べ方」について教わる機会もなくなったようですし、
具を満載にした鍋に火をつけるような無作法なお店も多々見かけます。
見かけはよさそうですが、作法(美味しく食べる基本)が伴ってませんネ。
日本料理の伝統である「鍋料理の作法」は絶滅の瀬戸際にあります!
危機感(?)から、適切な解説本を見つけましたのでご紹介します。
「東京・食のお作法」マッキー牧本著 文春文庫
ありがたいことに文芸春秋社のサイトで必要な箇所の
全文が読めます。「鍋のお作法」立ち読みページ

この章に鍋料理のお作法が楽しく書かれています。ぜひ読んでみてください。
以下は、本文にある「名鍋奉行への道・十ヶ条」からワタシの独断で引用した、
「鍋料理を美味しく食べる五原則」です。
①鍋を煮立たせない。ふつふつと沸きたとうかな?という温度を終始キープする。寄せ鍋とは、熱した液体の中で、魚介、肉、野菜、茸類など様々な食材に熱を入れ、うまみを引き出し、かつ食べやすくする調理法である。けっして食材から出汁をとる料理ではない。
②鍋に二つ以上の異なる具を入れない。人数分を超える個数を入れない。「鍋にカスを残さず、いつもきれいな状態」に保つ。三つ葉やエノキ、春菊や芹など、短時間で火を通したく、かつバラバラになりやすい具は、食べる分だけ箸に取り、鍋の中でも箸でつかんだままにして、頃合で取り出すのも良い方法である。
③具の投入シナリオを組み立てる。まず気をつけたいのは、人数分だけある具と、人数分以上ある具の選別である。後者には、葱、白菜、春菊、エノキなどがあるが、それらをどう合間に挟みこむかを考慮しておかないと、最後に白菜ばかりを食べる羽目となる。白菜を挟みながら、魚介や肉を序盤に固め、野菜や他の具を後半戦に持ってくるのがお奨めである。
④最適な加熱時間を知る。基本はある。最も短時間は、青菜類の葉っぱ部分、エノキ、三つ葉、芹、白菜の葉先、白滝(下ゆでしてある場合)。入れて三~四秒である。次に十秒で仕上げたいのが、青菜の茎、芹の根、白菜、しめじといった面々か。海老は中心に少し生を残し、貝は殻が開いたら寸時に取り出す。豆腐は浮き上がる寸前が命。白身魚は、膨らみ反る手前が頃合で、平目などは崩れやすいので、対流の激しい鍋中心からはずし、早めに引き上げる。
(ブログ管理人注:阿じ与志の中落ちはでかいので、骨までなかなか熱が通りません。食べどきを見極めるのは難しいです。一人鍋の場合なら、まず周りからかじり、中心部に熱が通ってなければ、そっと鍋に戻します。骨にへばりついた身は美味しい所ですから、絶対にお見逃しなく! 小鉢にとった中落ちは熱いですけど、手に持ってかぶりつきましょう。箸じゃ無理です。豪快に食べましょ!)
⑤取り分けをきれいに。野菜類は、鍋の縁に沿わせるようにして水を切る。銘々の小鉢に入れる際は、真ん中からボチャンと入れない。小鉢の縁から、滑らせるようにして入れると、美しい。
ちなみに著者のマッキー氏が「鍋のお作法」を学んだと思われる神楽坂の「山さき」は、ミシュランガイド東京の2009年版と2010年版で★に選定されているお店です。
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